暗号資産の相続時における税制整備について

暗号資産に関する税制改正

日本ブロックチェーン協会(JBA)はこのほど、「暗号資産に関する税制改正要望(2026年度)」を取りまとめ、政府に提出しました。

暗号資産市場の健全な発展や投資家保護の観点から、現行制度の課題を整理し、特に相続や寄附など従来の金融資産と比べて不明確な取り扱いが多い分野に関して税制の整備を求めています。

今回の要望は以下の5項目で構成されています。

  1. 分離課税・損失の繰越控除の導入

  2. 相続に関する税制の整備

  3. 暗号資産同士の交換時における課税の繰り延べ

  4. 暗号資産を寄附した際の税制の整備

  5. 特定譲渡制限付暗号資産の今後の見直しの継続検討

暗号資産の税制

具体的には、暗号資産の売却益について、現在の総合課税(最大55%の累進課税)から、株式やFXと同様の分離課税方式へ変更し、税率を一律20.315%とするよう提案しています。

また、暗号資産取引で損失が出た場合、その損失を翌年以降3年間にわたり繰り越し控除できる制度の導入も求めています。これにより、投資家が安心して中長期的な資産形成に取り組める環境を整備する狙いがあります。

相続に関しては、暗号資産の取得費加算特例の対象とし、譲渡時の原価計算が明確になるよう要望。

相続財産の評価

さらに相続財産の評価方法については、上場株式と同様に「相続日の最終価格」または「相続日の属する月から遡って3カ月間の平均価格」のうち最も低い価格を用いるべきとしています。

現行制度では評価の基準が曖昧であり、相続人に過大な負担がかかるケースが指摘されており、その是正を図るものです。

また、寄附における課税ルールの整備や、付与制限がある暗号資産の取り扱いの見直しについても、引き続き検討を進めるよう求めています。

同協会は要望の背景として、世界的な暗号資産保有者の増加傾向を挙げています。世界の保有者は2024年時点で約5億6千万人に達し、人口比では6.8%となりました。前年(約5億200万人)から11%以上の増加です。これに対し、日本の保有者は人口の4.3%にあたる約510万人にとどまり、シンガポール(24.4%)、米国(15.5%)、韓国(13.6%)、ドイツ(8.3%)といった主要国はもちろん、世界平均の6.9%をも下回っています。

協会は「税制上の不利益が日本における暗号資産普及の大きな障害となっている」とし、国際的な競争力を高めるためにも早急な制度改正が必要だと強調しています。

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