基礎知識

先代経営者は、事業承継でどこまで関与すべきか?

重要度
★★☆
費用目安
★☆☆

事業承継と先代経営者関与

事業承継においては、先代経営者が後継者の選定や育成、引継ぎ意思の伝達などを担当し、その役割は非常に重要です。中小企業庁の「中小企業白書2023年版」では、事業承継後の先代経営者の関与に関するアンケート調査を分析しています。

先ず、先代経営者の引退後の勤務形態に関して、約7割が「自社で、会長・顧問・相談役等として勤務」と回答しています。これから先も事業に関与する先代経営者が多いため、後継者は先代経営者の引退後の役割や処遇について検討する必要があります。

また、事業承継後の意思決定において、後継者が主導する企業では従業員からの信認が高まっています。後継者に対する信頼感が重要であることが示唆されています。

後継者との関係

事業承継後の意思決定の状況別に、先代経営者の役割に注目すると、「主に後継者が意思決定を行っている」企業では、先代経営者が主に「経営の助言者・相談相手」などの役割を果たしています。逆に、「主に先代経営者が意思決定を行っている」企業では、先代経営者が社外関係者との関係維持など、後継者には難しい面倒な仕事を担当しているようです。

事業承継の具体事例

具体的な企業事例として、アルファテックス株式会社が紹介されています。

この企業では、先代経営者が後継者に経営を任せつつも、協力して成長を続けています。先代経営者は承継後3年間は共同で代表権を持ちつつも、経営判断の大半を後継者に任せ、後継者育成を行っています。

経営方針発表会を通じて、創業時の理念を伝える一方で、後継者は経営に専念し、社員の能力を引き出すための環境整備に力を入れています。これにより、社員は主体的に考え行動し、事業の発展に寄与しているとされています。

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